ないしょのかけいぼ

買い込んだガラクタや燃やしたハイオクの供養塔です

イギリスでAirbnbを長期利用してる話

数日から数週間の海外旅行であれば,ホテルやホステルに宿泊するのが一般的かと思います.ところが半年も大学のために同じ土地に滞在するとなると,違う部屋を転々とせず,安心してパソコンや荷物を広げることができる,いわば"安住の地"が欲しいところであります.

私は現在,Airbnbを利用して日々の生活を送っていますが,今回はイギリスでの民泊暮らしについて書いてみます.
※例によって個人の事例ですので,Airbnbご利用の際はご自身で物件の条件や規約等をご確認ください.

部屋探し作戦

部屋のことを本格的に考え出したのが渡航の1ヶ月前という,だいぶムチャクチャな状況でしたので,「確実に住めて」「詐欺などのリスクが極力少なくて」「できれば安上がり」というあたりを主軸に,次の三段構えとしました.

  1. 大学の寮を借りる
  2. Airbnb(などの民泊斡旋サイト)で部屋を借りる
  3. とりあえず数週間はホステル住まいにして,着いてから物件を探す

まずは安定の大学寮.必要な設備も整っていて,人間関係の作りやすさからも最適であることは言わずもがなですが,とにかく窓口に連絡しても返信がなく,渡航までに間に合わないと判断して早々に諦めました.私の滞在開始がちょうどSpring Termと同時期だったので,既に満室で相手にしてくれなかったのかもしれません.大学のWebサービスでも空室状況を確認できるのですが,満室なんだかそもそもサービスがマトモに稼働しているのか判らない始末.

日本のようなアパートや,イギリスでは定番というシェアフラットをネットで探すというのも手でした.しかしイギリスの不動産屋はメールを通じて外国人とやりとりなんてしてくれない,みたいな話を見たり聞いたりして,これは最終手段だなあという気持ちに.

民泊って正直,日本で解禁されたときの法的にグレーなイメージが払拭できてなかったのですが,知人間での利用率が高かったので挑戦することにしました.

5ヶ月強をAirbnb

Airbnbの特徴や使い方,体験記なんていうのは優れたレビューが星の数ほどネットの海に散らばっているので,そちらをご覧頂ければと思います.

私の場合は1月頭から6月末までの5ヶ月強の住処なので,まずはそれだけの期間が空室である物件を探すのに苦労しました.何せ1ヶ月前です.大学や市街にほど近く,良心的な価格と設備の物件はことごとく貸し出されていました.

自転車を買えばなんとかなるな,という物件を見つけ,早速コンタクトを取りました.日本時間深夜3時,イギリス時間18時.
「はじめまして.近所の大学におよそ半年通います.長い期間ですが受け入れてもらえますか?」
『もちろんですよ.普通は数日程度の旅行客ばかりなんですが.長期滞在ということで数点お伝えしておきたいことがあります.』

大学のアクセス圏内であることを推している物件でしたが,やはり数ヶ月単位での滞在はあまり一般的ではないようでした.収納スペースや鍵の有無など,長期滞在で気になるポイントを先方から伝えてくれました.ホスト側も自分の家の一室を貸し出すわけで,不安要素を取り除きたいのは一緒です.数ヶ月にわたる長期滞在の場合,予約カレンダー上では空室になっていても,改めて確認をしたほうが良さそうです.

気になるポイントを確認し終え,めでたく6月末まで予約.支払いは1ヶ月ごとに分割して行われ,また28日以上の滞在となるのでAirbnbの長期滞在に対するキャンセルポリシーが適用されます.どうしてもソリが合わない部屋でもどうにかできるわけですね.

実際の物件

 という経緯で何とか確保した住処ですが,チェックインから2ヶ月経った今,とても快適に暮らせています.イギリスの戸建ては二世帯住宅のようなタイプが多いようで,私の滞在している物件も1つの建物を2つの世帯が共有しています.

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住んでいる建物そのものの写真はちょっとアレなので,下手な絵で代用させていただきます.赤煉瓦の建物,出窓の部屋や天窓付きの屋根裏部屋という,かわいらしい佇まいです.

5部屋ある内のひと部屋を借りています.個室にはダブルベッドとクローゼット,テーブルにセントラルヒーティングと生活に必要な設備が整っています.豪華すぎるくらいです.共同キッチンには各部屋ごとの食材置き場があり,ダイニングには大型液晶TV.ジェレミー・クラークソンが進行するミリオネアを楽しみながら晩御飯が食べれます.

家主とお手伝いさんは住んでいませんが,週に3~4回ほど,各種チェックのために訪れます.Airbnb経由でタオルやシーツの交換をお願いするとすぐにやってくれます.

いまのところ同居人に困った人もおらず,いい感じです.もちろん調べれば民泊関連のトラブル事例は沢山あります*1から,単純に私の運がよかったというのもあるかもしれません.

気をつけるべきこと

ただまあ,Airbnbは民泊であってホテルではないので,気をつけるべきことは多数あります.下記二点は特に民泊ならではかな?と思う点です.

鍵の有無はまちまち

一般の住居やその一部を貸し出すのが民泊ですので,各部屋はホテルのように防犯設備が整ってはいません.私はパソコンやちょっとした電子機器を部屋に置いておいても大丈夫なように鍵がかかる部屋を探しましたが,同じ物件の他の部屋には鍵がないところもあります.もっとも,私の部屋も鍵があるとはいうものの,キーが歯車になっていて,それを回すことでシャフトが伸びるという非常に簡素なもの*2です.開けようと思えば素人でも簡単に開けることができます.

実際,Airbnbでは部屋に鍵をかけないというのは特にルーズという訳でもなさそうで,私がチェックインしたときも肝心のキーが受け渡されませんでした.
「キーが見当たらないんですけど,この部屋って鍵かかるんですよね?」
『これまで合わせて200件くらい受け入れたけど,誰も盗みに入られたって報告はないよ!でも安心して,明日には部屋の鍵穴に挿しておきますから.』
いやそういう問題ではないんだよな……とか思いましたけど.

とにかく,パスポートや多額の現金,盗られて困る貴重品は,個室といえど置き去りにしないことが重要です.

洗濯機がないことがある

イギリスは硬水です.キッチンのシンクから公衆トイレの蛇口まで,水回りは石灰で真っ白なのがもはやイギリスの日常風景な感がありますが,同様の問題は洗濯機にも生じるようです.

ボタン一つ,洗剤一すくいでキレイに仕上がる日本の洗濯機と異なり,イギリスの洗濯機はとにかく扱いにコツがいるようで,宿泊客が壊すことを嫌って貸してくれない家主が多いようです.
私の物件も洗濯機がありますが,お手伝いさんがシーツやタオルを洗う専用.鍵がかかった別室にあり,その姿を拝むことすらできません.同じくAirbnbで数ヶ月滞在していた知人の物件も,同居する家主に洗濯物を渡して洗ってもらうスタイルとのことでした.

私は,今のところは週一でコインランドリーに通っています.下着はその日のうちに手洗いして洗い物を減らしたりするのですが,手洗いに適した洗剤を見つけられておらず,手荒れとの戦いの日々を送っています.

民泊暮らし,楽しいですよ

ホームステイみたいにホストへ気を遣いすぎることもなく,のびのびと日々を送ることができるので,リスクやデメリットを理解した上でのAirbnbの長期利用は結構おすすめです.1ターム分だけ授業を取りに来たという同じ物件のスイス人と仲良くなって,週末ちょっとした旅行に出かけたりもしました.

イギリスでの長期滞在先に悩まれている方の参考になれば幸いです.

*1:知人はシェアフラットのマッチングサイトでウン十万の詐欺にかかって警察沙汰になっています.怖すぎ.

*2:Rack Bolt Keyというらしい.

大学での研究のためにイギリスに入国したときの話

お久しぶりでございます.

しがない学生ですが,半年ほどイギリスの大学に居場所を頂けることになり,1月頭から試行錯誤のイギリス生活を送っています.

渡英から早くも2ヶ月が経とうとしているところで,日頃の生活にも慣れてきたし,折角だからイギリス生活のアレコレをTwitter以外の何かで発信しようかと思い,作ってそのまま放置していたこのブログを復活させる次第であります.

自分がイギリスで困ったことや,ググってもあんまり日本語での情報が出てこないようなことを書いていって,今後渡英される人の参考にもなるといいかな,と思います.

渡英のあれこれ

「イギリスの研究室にちょっと行ってきます」という場合のビザとかそういう情報があんまりネットに転がってなかったので,まずはその話を軽くメモしておきます.
(2019年1月現在の情報です.渡航者によって状況は異なります.必ず各自でもお調べください.)

滞在許可

渡英することが決まったのが出発日の2ヶ月前くらいだったので,渡航関連はとにかく大慌てで準備を進めました.ググっても日本語情報は古いことが多く,更に困惑.

入国審査が厳しいと噂のイギリスには学生ビザが2種類あり,大まかには,6ヶ月より長い期間は"Tier 4",6ヶ月より短い期間は"Short Term"という形で分かれています.授業を取ったり,語学学校に通ったりされる方は,期間に応じてこれらを取る場合が多いようです.

一方,観光やビジネス,そして研究(Research)の場合,Visa Waiverの対象となり,入国ゲートで最大6ヶ月の滞在許可を発行してもらうことができます.

私は日本の大学に在籍したまま渡航し,先方でも一応の学生登録をする予定だったので,学生ビザが必要になるだろうというちょっとした固定観念に囚われていました.ところが授業を取らず研究だけしに行くなら,Visa Waiverを活用して事前準備なしに渡航が可能なようです.*1

ただし,受入・滞在先の証明や連絡先情報の集約といった点から,招聘状は入国時,非常に重要になります.これは受入先の教授にお願いして一筆頂きました.

渡英から入国

羽田空港を早朝に発つ,BAのヒースロー直行便を利用しました.これまでの人生のなかで最も長いフライトは成田-シドニーの9時間でしたが,今回はこれを上回る12時間半.さすがにしんどい.機内をぐるぐるしている怪しい兄ちゃんがいるなと思ったら,どうやらストレッチがてら散歩をしている様子でした.

ヒースロー着はお昼過ぎ.日本では夜明け前から空港への移動やチェックインがあったため,飛行機内では比較的睡眠を取ることも出来,時差はほぼ感じませんでした.

入国にあたり準備したのは以下の書類.緑字は使用しなかったものです.
・パスポート
・受入先大学からの招聘状(PDFをA4印刷)
・往復のeチケット
・宿泊先の詳細(ExpediaとAirbnbの予約情報を印刷)
・英文預金残高証明書

入国ゲートではまずパスポートと招聘状を提出し,次のような質問を受けました.
「滞在期間は?」
「帰国便は決まってる?チケットを見せて」
「英国への入国履歴はある?」
「英国内での役職は?」

無事,6ヶ月の滞在許可を示すスタンプが押され,入国.
たのしいたのしいイギリスでの生活が幕をあけたのでした.

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イギリスのイメージとはかけ離れた青空が出迎えてくれました.

*1:そもそも授業を取らないと,Tier 4 License Numberが入った書類を作ってもらえないので,ビザ取得は難しいのかもしれません.

X-Pro2を買った

E-300からE-620,そしてE-M1と使い続けてきたオリンパスをやめて,富士フイルムのX-Pro2に乗り換えました.

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※前のブログをしばらく書かないうちにアカウント忘れちゃうなどしたので,カメラのりかえと同時にブログもコチラへのりかえます. 

買い換えのきっかけ

ずばり,飽きたのと,E-M1がメッチャ壊れまくったからです.

E-M1が壊れまくった話

私はE-M1を発表と同時に予約し,3年半使いました.延長保証サービスにも加入しましたが,売却するまでに6回(うち新品交換1回),修理に出しました.

たいていはアイセンサ不良や基板不良というEVF関連というミラーレスっぽさ溢れる故障や,AELボタンがもげるとかいう,思わず笑ってしまうような故障でした.ところが先月,使用中ふと気がつくとストラップ金具が根元からすっぽ抜けており……もし首から提げていたら大惨事になるところでした.

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どうやら金具がすっぽ抜ける症例は多数あるらしく,保証期間後であったにも関わらず無償修理ということでガッチリ固定されて帰ってきました.メーカ側もしっかり認識している不具合というワケです.

いくら修理されたとはいえ,一度抜けたストラップ金具を見てしまうと,もう怖くて肩に掛けることができません…….ということでボディの買い換えを考え始めました.

飽きた話

飽きたというか,大三元がそろったシステムに不満は何一つなかったのですが,優柔不断な性格に対してズームレンズは写真を撮るテンポを下げるだけのような気がしていました.PEN-Fと単焦点レンズだけで遊ぶというのも考えましたが,どうしてもPEN-Fの操作感が好きになれませんでした.

というわけで

じゃあいっそ別のシステムにしてみようぜ?と短絡的な思考が働いてしまったのです.

 

 X-Pro2にしたワケ

前述のとおりズームやめて単焦点いっぱい使ってみたかったのと,いまさらデカくて重たい一眼レフは持ちたくないなあと思って色々考えたらこうなりました.ソニーのαあたりも候補だったし友人からプッシュされたのですが,レンズが高いとかフルサイズセンサは扱いきれない(でもオタクの心理としてフラグシップが欲しい)という理由で見送りました.

店頭でしばらくX-Pro2を触ったりレンズラインナップを確認したのち,手持ちのオリンパスシステムすべてをマップカメラに投げつけて,それを元手に新品のX-Pro2,35mm F2 R WR,中古の16mm F1.4 R WRを購入しました.

レンズの選択

16mm F1.4 R WRはE-M1で最も使っていた12-40mm F2.8の広角端と同じ画角だったから絶対使うだろうなと思って選択した次第です.結果的に大満足です.

35mm F2 R WRはX-Pro2によく似合うデザインだし標準域だし防滴だしキャッシュバック対象だし……という感じでなし崩し的に.35mm F1.4と悩みましたが,設計が新しいであろうこちらをチョイス.XFマウントユーザなら必携といわれるF1.4も興味はあるので,そのうち余裕ができたら(できるのか……?)手に入れてみたいと思っています.

 

韮山反射炉

early autumn

bridge

とにかくX-Pro2ユーザになってしまいました.E-M1から3年分の進歩がある分,使いこなすのも大変そうですが頑張ってみます.