2年ほど前にX-Pro2を買ったという記事を書きましたが,実は年末に一式売り払い,X100Fに乗り換えていました.
およそ半年ほど使った気がするので,所感を書きたいと思います.
買い替えた理由
レンズ交換がめんどっちい
もともととんでもなくズボラな私は,おそらくレンズ交換式カメラの取り扱いに向いてはいない人間です.X-Pro2でフジXマウントに移る前,マイクロフォーサーズの頃は強力なダストリダクションシステムに全幅の信頼を寄せていたので,ブロワーなどを携帯せずとも屋外でガチャガチャとレンズを交換しておりました.しかしXマウントだとそうも行きません.だんだんXF35mm F2をつけっぱなしにするように…….
ポケットに入るサイズにしたかった
ちょうどイギリス行きが決まったことで,週末いろんなところに出かけて写真を撮り歩くにあたって,本当にX-Pro2でいいの?という疑問が出てきました.
- 大きくかさばる交換レンズはバックパック内で邪魔になる
- 常に持ち歩いても苦にならないサイズ感がいい
- でもなるべく画質は犠牲にしたくない
- ファインダーほしい
こういうことを頭の中で並べていくうちに,所謂高級コンデジにすればいいのでは?という気持ちに.
GR系やLX100系とも悩んだのですが,GRはそろそろ後継機が出そうというタイミングで買うのは気分的によくなかったこととEVFがないこと,LX100はあまり手に馴染まなかったことから,X100Fになりました.JPEGの色の良さや,X-Pro2で慣れた操作性も決め手のひとつです.
旅行カメラとして
旅行に来ている訳ではない……のですが,実際のところ毎週末バックパックひとつでどこかしらに出かけているので,まあ旅行気分が抜けない英国生活です.そんな中でX100Fはかなり良い選択だったんじゃないかと思っています.
いいところ
オールマイティな画角
35mm判に換算して35mm程度.好き嫌いが分かれる画角,とも評されるようですが,私は非常に使いやすいと感じます.引いても寄ってもある程度思い通りのフレーミングができる優等生のような画角.テーブルフォトにも使いやすいですね.GRの28mm広角を使いこなして「引き算」する自信がない,優柔不断な私のような人には……ピッタリかもしれません.
フジのJPEG品質
撮って出しというやつです.X-Pro2で既にRAW現像をほぼしなくなってしまいましたが,英国滞在中はPCは研究室に常設しているので,いよいよ全く現像をしておりません.それでも撮って出し,あるいはカメラ内現像でほぼほぼ満足いく結果が得られるのは,荷物を減らしたい(帰国も見据えた)海外生活では大変な魅力です.
サイズ
手のひらサイズとは言えないですが,EVFとAPS-Cセンサ,F2.0のレンズを載せてこのサイズならもう特に言うことないんじゃないでしょうか.ユニクロのウルトラライトダウンジャケットやGORE-TEXのレインブレーカのポケットにもすっぽり収まります.
ファインダー
X-Pro2からすんなり移行できる,クオリティの高いハイブリッドビューファインダーです.EVFモードをメインで使っていますが,OVFモードはEVFで気にしがちな細かい写りを気にせずにテンポよく撮り歩けるのでこれも重宝しています.数あるカメラからX100F(もしくはX-Pro2)を選ぶ醍醐味ですね.
ワイコン
ワイコンつけてるって言わないと分からないような画質なんじゃないでしょうか.私はあまり等倍にしてねっとり鑑賞したりしないのですが,少なくとも,ぱっと見で画質に破綻が起きていたりとか,そういうことはないです.テレコンも買えばよかったなあ.
デジタルテレコン
デジタルテレコンが結構いいです.50mmもしくは70mmの画角になります.遠景になると流石に粗さが出てきますが,もうちょっと望遠気味で撮りたい……!とかいうスナップ中に大変役立つ機能です.超解像技術を使っているそうですが調べていないのでよくわかりません.綺麗に撮れればよいのです.
なおデジタルテレコンで撮った写真はJPEGオンリーの記録です.中指で触れる前面のFnボタンにRAW/JPEG切替をセットし,ピントリングにデジタルテレコンの画角選択を設定.疑似ズームみたいな感じで使っています.
頑張ってほしかったというところ
電池容量
X-Pro2と同じサイズの電池を使っている割にはあんまり長持ちしないなという印象です.300枚くらい撮ったら結構危ういかも?これがコンデジとしての平均かどうかは分かりませんが.まあ,EVFもついていて,実質ミラーレスカメラみたいなもんですからね.
ちなみにUSB給電に対応しています.交換バッテリーさえ切れてしまった!という局面でも,モバブ(死語)で半日くらいはしのげるかと.
ワイコン・フィルタ用のネジ切り
X100Fは素の状態ではフィルタがつきません.レンズ鏡筒先端の雄ネジに専用アダプタを噛ませて,そこにフィルタをねじ込みます.そこそこのお値段するので私は買いませんでした.
ワイコンは雌ネジになっているのでそのままねじ込みます.たぶん精密な光学設計のためなんでしょうが,ネジピッチが結構せまくて着脱に時間がかかります.レンズ交換がめんどっちくてコンデジにしたのに本末転倒の感が…….ワンタッチとは言わないけれど,もう少し簡単ならいいのにな,とワイコンを使うたびに思います.
防滴
まあそりゃ防滴だったら何だってサイコーだよなという話です.雨の日にはちょっと気を遣うというだけで,そこまで不満ではないです.でもイギリスは雨が降りやすいので……保険的な意味で,ね.
使っているアクセサリ
フジのカメラはデザインがおたくチックだからか,割と純正・社外問わずアクセサリが充実していますね.私は使っていませんが,専用設計のサムレストがあるなんてもはや扱いはライカじゃないですか(知らんけど).
ストラップ - マップカメラ 細OBI
X-Pro2から受け継がれしものです.ストラップを選ぶときは常に手に巻きやすいものを選んでいます.数少ないこだわりです.
マップカメラのOBIシリーズはしなやかで収納時のまとまりもよく,それでいてオシャレなカラーラインナップなのでお気に入りです.
ボディケース - Amazonでみつけた中華製の合皮ケース
傷の防止というよりもホールド性向上が目的です.グリップはちょっと大げさですが,これなら速射ケースちっくでオシャレでもあります.純正品もありますが,1000円ちょっとで買えてしまう中華パワーには屈するしかありませんでした.
レリーズボタン - Amazonでみつけた3つで500円くらいのやつ
もはやX100F専用でもなんでもないですが,これは重要です.圧倒的に手ブレが減りました.なお渡英1ヶ月しないうちにポロッと取れて行方不明になりました.あとで取り除くことができるネジロック剤などがあるのなら,つけておくべきかもしれません.
作例
基本的にこのブログで載せているイギリスでの写真はX100Fで撮ったものです(たまにiPhone SE).iPadに圧縮して転送後,掲載しているので,まあこんな雰囲気で写るんだな,という程度にご笑覧ください.
X100Fは小洒落た美男美女のファッションアイテムとしてだけでなく,冴えないおたくがボロボロのジャケットのポケットに突っ込んで見知らぬ土地を撮り歩く用途にもなかなかいいです.旅行のおともに皆さんも是非.